落ち着いた色味の外壁の中央に、Tの字状に窓と白壁がアクセントとなって映える家です。下の階に親世帯が、上の階に子世帯が住む二世帯住宅となっています。
外観
通り面側から奥にかけて上り傾斜になった敷地にあるので、RCコンクリート造と木造の混構造としました。玄関は道路に面するレベルにありますが、生活スペースはもうひとつ上の階からになります。大家族なので、車、自転車などを置くのに十分なスペースを取り、目隠しと雨よけに板材で囲いをしました。
玄関
玄関から生活スペースへと上がる階段。コンクリート造の無機質な感じを払拭するために、木のあたたかみが感じられるように工夫しました。杉板の扉もオリジナル。杉は「赤身（芯材）」と「白太（辺材）」とで色味がまったく違います。それぞれの特徴を活かして、色味の配置を考えて作りました。
１階：和室
親世帯の和室。掘り炬燵が真ん中にあり、二方向が大きな掃き出しのガラス窓になっているので、お茶を飲みながら庭の四季の移ろいを楽しむことができます。天井を張らずに小屋裏を見せ、鴨居と軒の間にもガラスを入れたことで、明るさや開放感が増しています。
１階：庭から和室を見る
掃き出し窓の外には、濡れ縁がまわり、突っかけ履きで庭に出たり、庭仕事の合間にちょっと腰掛けたり、庭から遊びに来たお客様と靴を脱がずにお茶したりできるようになっています。四畳半という小さな和室ですが、こうしたちょっとしたスペースが、日々の暮らしに潤いをもたらします。
１階：階段脇
２階にあがる階段の脇から庭を和室を眺めるとこんな感じです。窓面が大きいので、ご家族の生活が始まってお庭が育ってくれば庭の緑が目に鮮やかないい景色になることでしょう。掘り炬燵のある和室の右側の襖の向こうには、畳の続き間になったご両親の寝室があります。
２階：寝室？
このお部屋も天井を張らずに小屋裏を見せています。船に乗って航行していいるような、開放感のある部屋に仕上がりました。妻面の中央の桁の下までつくり付けの棚が立ち上がっていますが、明るさは十分に保たれています。間口いっぱいの収納棚も、扉板の木目の表情のつながりを大切に作りました。
２階：ダイニングキッチン
板の間ですが、座の暮らしをされるお子さん世帯の生活スペースです。大工手造りの台所と座卓なので、木の家らしい雰囲気にしっくりと調和し、馴染んでいます。座卓上の照明の笠の選定もうまくいったと思います。
