画壇でめざましく活躍されている日本画家の作家さんの仕事場兼ご自宅です。すばらしい日本画のお仕事に見合った、和風建築としての品格を表現できるよう、数寄屋的な要素を随所に取り入れました。こういった仕事は、伝統的な日本建築技術を連綿とつないできた内田工務店の腕のふるいどころです。
外観生け垣に数寄屋門がついた外観です。屋根や庇が細かく重層し、いぶし瓦の黒と落ち着いた色調の壁とが織りなす素材や色調の調和が、庭木や生け垣の緑とあいまって訪れる人の心を癒します。
玄関ホール画廊や画商の方など、仕事関係の来客も多く、また号数が大きな作品には出し入れのための空間の余裕も必要なので、玄関ホールはゆったりと、作家さんの趣味を感じさせるように作りこみました。玄関ホールの右手には来客を迎えるための、庭に面した客間があります。
２階に続く階段玄関ホールの正面奥の階段は、奥様と二人のお子さんとを中心とした生活スペースへと続いています。階段の奥のもうけた低い障子が、影になりがちな階段裏のスペースにやわらかな光を取り込み、陰翳を演出します。
１階：客間ご主人が主に日本画関係のお客様を接遇される座敷の客間です。床の間、床柱、違い棚、地袋と、書院造りの作法に則って作りました。違い棚の奥の丸くくりぬかれた穴の向こうに障子が見えるのが、この座敷の景色となっています。
２階：リビングダイニングご主人と奥様、お子さんたちの生活スペースである２階は、１階の和のあらたまった印象とは打って変わって、家庭ならではの寛いだ感じがするようにとしてカジュアルに作りました。無垢の板材を張った広々とした空間で、まだお小さい二人のお子さんも、のびのびと遊び回ることができます。
