コストの考え方

30坪程度の家の坪単価は、およそ65万円〜です。

この「坪65万円」を高いととらえるか、安いととらえるか。金額だけで比べるのではなく「その家に何年住めるか」という視点ももっていただきたいのです。坪単価だけで見れば多少割高に思えても、長く住み続けられるのであれば、けっして高くはないといえるでしょう。

高度経済成長期に建てられた家のほとんどは建て替えられていたり、現存していても新築当時と比べると、家としての魅力はマイナスに転じているケースが多いものです。新建材は、真新しい時が美しさのピークで、経年変化とともに色あせたり、みすぼらしくなったりしていくものだからです。

伝統木造の家は違います。木は、時を経るごとにむしろ、艶や深みを増しいく「時が価値を生む」素材です。100年、200年と時代を越えて残って来た民家に魅力があるのも、これまで施工してきた家のお客様に「住めば住むほど、家が好きになります」とおっしゃっていただけるのも、そのためです。

長寿命の家であるためには、メンテナンスがしやすいこと、ライフスタイルの変化に対応できることも重要な要素となってきます。木の家の素材は「木」。新建材のようにその型番が廃番になる心配もありません。また、軸組構造なので、壁を動かすことの自由度が高く、間取り変更などにも柔軟に対応できます。

このようなプラス要因がからみあって「長く住み続けられる」のです。伝統木造の場合、主要構造材の樹齢以上には長持ちするというのがひとつのめやすです。標準的な仕様の家ですと、適切なメンテナンスをしていれば、60~80年はもつといえます。現代の家は20-30年で建て替わることが多いので、工事金額を年数で割った「年坪単価」に換算すると、伝統木造の家の方が、コストパフォーマンスは良いのです。

ある施工例の総工事費の例

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これはやや高めの家、30坪で坪80万円、総工事費2400万円(消費税別)の例です。内訳でみると、木材費や大工手間が多くの割合を占めているのがお分かりいただけると思います。

【木材費】

しっかりとした径のある材を表に見せる伝統木造では、細い材を新建材で覆って仕上げる現代工法と比べると、使う材積は3倍以上にもなります。木材費がその分、かかってくるのは当然です。それでも、地産地消で地域材を用いていますので、輸送コストは抑えられています。

【大工手間】

工場で大量生産された部材を金物でつなげる仕事と、手作りで一点一点を刻む時間と技術をかける仕事とでは、大工手間が変わってくることは、必然的なことです。

以上のような内容を知っていただければ、坪65万という金額がリーズナブルであることは、ご理解いただけるのではないでしょうか。

※工事費には、設計料、外構工事、カーテン、家電製品などは含まれません。